サロン運営の知識
スタイリストの売上・歩合・給与はどう計算するか
最終更新:2026-08-07
多くのサロンは「基本給+歩合」です。技術売上と店販売上で歩合率を分け、指名とフリーでさらに区分し、アシスタントは担当した施術単位で配分します。トラブルの原因は率そのものではなく、割引・ポイント・回数券の原資を誰が負担するかにあります。ルールを明文化してシステムに設定すれば、月末の再集計は不要になります。
この記事の要点
- 基本構成は基本給+技術歩合+店販歩合。指名とフリーで率を変えることが多い。
- 売上の計上時点(会計日か施術日か)は事前に定義する。月をまたぐ場合に特に重要。
- クーポン・ポイント・回数券の負担先が、歩合トラブルの主な原因になる。
- アシスタント配分は伝票全体ではなく、担当した施術単位で計算する。
- スタイリストが自分の累計売上を随時確認できると、月末の確認作業が大きく減る。
向いているサロン
報酬制度を設計中のオーナー
公平性と収益性を両立できる歩合ルールが必要な場合。
月末に給与試算へ時間を割いている店長
Excel での照合をシステム集計に置き換えたい場合。
アシスタントと育成制度があるサロン
アシスタント配分と昇格後の率の変更を明確にする必要がある場合。
多店舗ブランド
各店の歩合ルールを統一し、一人当たり生産性を比較したい場合。
歩合制度の設計要素
次の5点が、制度が長く運用できるかを決めます。
売上の基準
実収金額と定価のどちらで計算するかで結果が大きく変わるため、制度上で明確にします。
技術と店販を分ける
店販は原価構造が異なるため、多くのサロンで別の率を設定します。
指名とフリー
指名は個人の顧客づくりの成果を反映するため、再来を促す意味で高めに設定されることが多くあります。
割引と前受金の負担先
クーポン・ポイント・回数券で充当した分を、店舗と担当者のどちらが負担するかを事前に取り決めます。
階段と基準額
一定額を超えたら率を上げる場合、全額適用か超過分のみ適用かで、動機づけの効果が異なります。
歩合項目と計算方法
一般的な取り扱い例です。実際の率は各サロンで設定します。
| 項目 | 計算基準 | 一般的な方法 |
|---|---|---|
| 技術売上 | 施術の実収金額 | 指名/フリーで率を分ける |
| 店販売上 | 店販の実収金額 | 技術とは別に設定することが多い |
| アシスタント配分 | 担当した施術単位 | メニューごとに定額または率 |
| クーポン充当 | 割引額 | 店舗負担か按分かを取り決め |
| 回数券消込 | 消込時の計上額 | 販売時の1回あたり価値で計上 |
| 返金・やり直し | 元の伝票 | 元の売上を取り消し、理由を記録 |
制度をつくる手順
まず文章化し、その後システム設定に落とすと、口頭認識のずれを防げます。
1. 売上の計上基準を定義
実収か定価か、また売上を会計日と施術日のどちらに帰属させるかを決めます。
2. 技術と店販の率を分けて設定
同時に、指名とフリーで率を変えるかどうかも決めます。
3. 割引とポイントの負担を取り決め
クーポン・ポイント・回数券の扱いを制度文書に明記します。
4. アシスタント配分のルールを設定
担当した施術単位を基準にし、伝票全体での二重計上を避けます。
5. 前月データで試算し検証
実際の伝票で新制度を通し、想定どおりか確認してから告知します。
よくある失敗
率だけ決めて割引の負担を決めない
キャンペーン時にトラブルが起き、給与日当日に指摘されることが少なくありません。
計上時点が統一されていない
月をまたぐ施術や前受金の消込で、集計結果が変動し続けます。
アシスタント配分を伝票単位で計算
関与していない施術まで配分対象となり、長期的に信頼を損ねます。
制度が口頭だけで存在する
人員が入れ替わると内容がぶれます。文書化し、システム設定と一致させます。
eHairPOS での扱い方
eHairPOS は会計時に担当者とメニューを記録するため、売上と歩合が伝票ごとに即時累計され、月末にまとめ直す必要がありません。
- 技術と店販で歩合ルールを分け、指名/フリーも区別できます。
- クーポンやポイントの負担先を店舗か担当者かで設定でき、結果が売上に直接反映されます。
- アシスタントは担当した施術単位で配分でき、伝票全体での二重計上を防げます。
- スタイリストは自分のアカウントで累計売上を確認でき、月末の確認時間を短縮できます。
